163-168。, 野村敏夫「法令・公用文に関連する建議と通知」『国語政策の戦後史』大修館書店、2006年11月26日、pp. 14-45。, 以上 内山鉄男他「文書左横書き実施について -実例検討会-」地方自治制度研究会編『月刊地方自治』第149号、1960年(昭和35年)5月、pp. ]から「横書き推進は単に日本語の古い伝統を無視したというだけではなく、日本語は縦書きを前提に発達してきた言語なので、横書きを強制することは書く側と読む側のいずれに対しても不便を強いる不合理なものではないか」といった批判もある。文部省が主張して来た左横書き化のさまざまなメリットも、「書きやすい。」、「読みやすい。」といった慣れの要素が強いものや「綴りこみを統一することができる。」といったどちらかに統一するメリットではあっても左横書き化のメリットとはいいがたいものが含まれており、明かな左横書き化のメリットと言えるのは「数字・ローマ字の書き方と一致する。」等の横書きの欧文との親和性くらいしかない。一方横書きに対する批判も古くからありその内容も、横書きは視力を悪化させ、近視を増加させる[178]、横書きの文章は自己中心的なものになる[179]といったさまざまなものがあるが、学問的に検証できない単に個人的な体験や印象を語ったに過ぎないものも多く、縦書きと横書きのいずれが読みやすく書きやすいかについては、ひらがな等の手書き文字の一部に縦書きを前提に発展してきたため縦書きの方が書きやすいといえる文字があるものの、全体としては「『慣れ』の要素が大きい」とする調査結果もあり[180]、横書きの視力悪化問題についても大正時代から様々な調査研究が行われている[181]が、明確な差は認められないとする考え方が有力である。, 本通達の中には「地名はさしつかえのない限り、かな書きにしてもよい。」(第1の4「地名の書き表し方について」)や「人名はさしつかえのない限り、かな書きにしてもよい。」(第1の5「人名の書き表し方について」)のような当時強く唱えられていた漢字廃止論の影響を受けたと思われる規定がある。, しかし、現在では人名・地名などの固有名詞については正式な表記が漢字である限りは漢字を使用するのが通例なので、これらの規定は事実上機能していないと考えられている。かつて印刷時の手間とコストなどの問題から漢字廃止論や漢字制限論の有力な提唱者であった新聞などのマスコミが、電算写植などの普及に伴ってそのような問題がなくなってからは、それまでとは逆に「人名に正しい(当事者が正しいとしている)表記を用いないことは人権侵害になる」というような、漢字を使用すべきであるという主張をしばしば行うようになっている[182]。, なお、1929年(昭和4年)11月18日に、大審院(現在の最高裁判所)は、当時の名古屋控訴院(現在の名古屋高等裁判所)の判事をつとめていたカナ文字論者であった三宅正太郎が出した「名古屋控訴院」を「ナゴヤ控訴院」などとするなど固有名詞を仮名書きした判決文が無効であるとした上告[183]に対して「判決文は有効である」とする決定を下しており[184]、そのことから判決文だけでなく一般的に公文書の固有名詞を仮名書き(カタカナ書き)にしても、それが何を指しているのかが明らかである限り効力上の問題は生じないとするのが判例であると考えられている。, この通達が、使用する文字を常用漢字に限定していることによって、常用漢字以外の使用は制限されている。, しかし、実際には常用漢字以外の文字の使用も必要であることから、表外漢字字体表が検討されたり、常用漢字を増やすことなどにつながっている。, 「第3 書き方について」の注で、公用文を横書きするときに、読点として「,」(コンマ)を使用すると定める。, もともと横書き用読点を「,」とすることはカナモジカイがかなによる横書き用の符号を整備する中で始めたことである[185]。さらに、公的方針の中で横書き用読点を「,」とすることは、1906年(明治39年)に文部省大臣官房調査課が文語体文用に定めた「句読法」(案)を口語文用に作り変える形で作成され、1946年(昭和21年)3月に当時の文部省教科書局調査課国語調査室によって発表された「くぎり符号の使ひ方(句読法)」(案)の「主として横書きに用ひるもの」中で「テンの代わりにコンマを用ひる」と定められたのが始まりである。この「くぎり符号の使ひ方(句読法)」(案)は、「くりかへし符号の使ひ方(をどり字法)」(案)・「送りがなの付け方」(案)・「外国の地名・人名の書き方」(案)とともに発表され、あくまで「案」であって正式決定された方針ではないという位置づけではあったものの、「文部省刊行物の表記の基準を示すために編集」された『国語の書き表し方』[186]など、さまざまな出版物に収録されて広く周知された。この後、「送りがなの付け方」(案)は内閣告示・訓令となり、「外国の地名・人名の書き方」(案)は「外来語の表記」に取り入れられるなどして内閣告示・訓令となったのに対して、「くぎり符号の使ひ方(句読法)」(案)と「くりかへし符号の使ひ方(をどり字法)」(案)は正式決定になることなく案のままにとどまっている。しかしながら、これら二つの案は「公用文や学校教育その他でも参考にされることが多い」としてさまざまな資料に収録されていて[187][188]、案であるとの注記もなくそのまま横書き用句読点の書き方についての規則の説明の根拠にされていることもある(「句読点符号の使い方」[47], p. 200)[189]。, しかし、「今日までこのルールはほとんど無視されてきた」とすら言われており[190]、文部科学省の会議においても「,」が「学習指導要領における表記」であるが、「この表記自体に強制力はない」ために「、」が「一般に使用されている表記」になっているとの認識を示す発言がある[191]。九州大学において渡部善隆が1994年(平成6年)現在で白書をはじめとする公的出版物などに対して行った調査によれば、次のとおり「,」を使用しているものが少数派である[192]。, このように横書きの場合でも読点には「、」を使用し、「,」は数字の区切りだけに使うとするなど独自の規定を定めている省庁も多く[193][194]。中でも(旧)自治省の大臣官房文書課が公用文を作成する際の手引書として作成した『常用漢字表による公用文作成の手引』[195]の「第11章 記号の用い方について」においては、「句読点については「。」(まる)、「、」(てん)及び「,」(コンマ)を用いる」として、どちらも正しいようにするという本通達とは若干異なった内容を定めているために、地方自治体ではそれに従っていることが多い[196]。自治体職員向けに書かれた公用文作成のためのガイドブック類では、「読点を『、』であるとした上で、横書きの場合にはコンマを使ってもよい」と説明したもの[197]や、「縦書きの文章には『,』は用いない」とだけ説明しているもの[198]、横書きの場合にも「読点は『、』である」とだけ示して読点としての『,』に全く触れないもの[199]などもある。, しかし、挙げられている言い換え例の中にほとんど実施されていない、または実施例はあるものの定着しているとは言い難いものが少なからず含まれているとの指摘がある[37]。, 本通達では「第3 書き方について 」の5において、人名や件名の並び順は五十音順に並べるようにとされている。しかしながら実際の公用文においては、人名や件名を並べる場合、本通達で定められている「五十音順に並べる」やり方のほか、次のようなさまざまな並べ方があり、状況に応じて使い分けられている。, 本通達でのこの規定は、文言上は人名や件名を並べる場合には無条件にすべて五十音順にすべきであるということになっているので、この規定はあまり守られているとは言えない。ただし、一般的にはこの規定は人名や件名を並べる場合に、中世以来の日本語の公文書を含むさまざまな文書で広く行われてきたいろは順を使用するのをやめて五十音順にすべきという趣旨であると考えられていて[200]、現在ではいろは順が公用文において使用されることはほとんどなくなったことから、その限りではこの規定はよく守られていると言える。, 箇条書きの階層は、この通達では縦書きの場合と横書きの場合について、例がそれぞれ一つずつ挙げられているだけであって、そもそもどのような規則によるべきなのかという記述が存在しない。したがって、ある公文書の箇条書きが、この通達の意図に適合しているのか否かが明確ではない。実際に、例示されたような体系から外れた書き方をとっていると考えられる公文書も少なくない。その例を挙げる。, 本通達の内容は、本通達の制定以後のさまざまな内閣告示・訓令・通達などによって、実質的に改められている部分がある。本通達に関連する告示・訓令・通達・国語審議会答申などとして、文化庁文化部国語課が編集した書籍である『公用文の書き表し方の基準 資料集』[1](過去の版を含む)には下記のものが収録されている。ただし、※印のものは廃止された等の理由で最新版には収録されていない。, 『公用文の書き表し方の基準 資料集』[1]とは、国語表記全般に関連する告示・訓令・通達のほか国語審議会の答申なども収録している書籍であり、国の中で国語表記に関する事項を取り扱う部署である文化庁文化部国語課が編纂している。文部省(現文部科学省)及び文化庁は、本通達を広く周知させるためにさまざまな出版物を刊行してきており、本通達を含めた公用文関連の告示・訓令・通達・国語審議会答申などの存在及び内容を容易に知ることができるようになっている。それらの中で現在その中心となっているのが同書である。同書の表題は、『公用文の書き表し方の基準 資料集』となっているが、戸籍法及び同法施行規則(法務省令)といった国語政策には関連するものの公用文の表記に直接関連するとは言い難い人名漢字に関する法令なども収録している。, 同書は、もともとは、本通達制定後しばらく経過した1954年(昭和29年)に(旧)文部省が1950年(昭和25年)12月から昭和40年代にかけて[205]「国語の改善と国語教育の進行に関する施策を普及徹底する」ことを目的として[206]刊行していた『国語シリーズ』の中の「基礎資料を収集すること」を目的としていた資料編[207]の最初の1冊として刊行された『公用文の書き方 資料集』[33]が起源である。その後この書籍は、公用文の表記に関わるさまざまな法令・告示・訓令・通達等の制定改正に伴って内容を改めながら、以下の版が刊行されてきた。, その後1974年(昭和49年)に「改訂当用漢字音訓表」および「改訂送り仮名の付け方」の制定を受けて、判型も含めて大幅に内容を改めた『公用文の書き表し方の基準 資料集』として大蔵省印刷局から刊行された。同書はその後もそれまでと同様に国語表記に関連する法令・告示・訓令・通達等の制定や改正を受けて、以下の版が刊行されてきた。, なお、文部省や文化庁の編集として刊行された出版物に本通達が収録されることは、同書以外にもいくつか例がある。例えば、ぎょうせい(旧帝国地方行政学会)から文化庁の編集として出版されている『現行の国語表記の基準』[36]には以下の版があり、そのいずれの版にも本通達は収録されている。, 各官庁や地方自治体は、本通達をそのまま実施するか、本通達を元に独自に定めた通達等を制定している。それぞれの官庁や地方自治体において独自に定めた諸基準文書だけを資料として作成したり、内閣告示・訓令やその他の通達などの関連する諸文書を併せて書籍形態の執務参考資料を作成していることも多い。これらの書籍の中には一般向けに市販されているものもある。, 「ぎょうせい 公用文表記辞書 for ATOK」とは、ジャストシステムが出版社の「ぎょうせい」と共同開発したもので、公用文作成の表記基準である内閣告示・訓令等をまとめ、定められた表記基準に従った文書の作成が容易になるような日本語IME『ATOK』用の専門用語変換辞書である[208]。内閣告示・訓令等の解釈についてぎょうせい発行の『例解辞典』[209]に準拠する形でをとっているため『ぎょうせい 公用文表記辞書』という名称になっている。最初の版は2004年10月22日発売[210]。現在はウインドウズ用ATOK版とMAC用ATOK版がある。, 等について、公用文作成の表記基準にもとづいて入力作業中にリアルタイムで問題点を指摘し、かつ同じ意味で表記基準に適合する言葉が表示されるようになっている。なお、ATOKにはこれと同様に一定の表記基準に従った文書の作成を支援する専門辞書として共同通信社が定めた表記基準に適合させるための「共同通信社 記者ハンドブック辞書 第11版 for ATOK」[211]やNHKが定めた表記基準に適合させるための「NHK 新用字用語辞典 for ATOK」[212]がある。, 文化庁文化部国語課編『公用文の書き表し方の基準 : 資料集』第一法規出版、増補2版 2001年6月。, 山口仲美「公用文を漢字カナ交じり文で書く」『日本語の歴史』岩波新書(新赤版)1018、岩波書店、2006年5月19日、pp. 本当になぜ6月は祝日がないの……そんな絶望を小脇に抱えつつ、本日はWordで作るビジネス文書のポイントをご紹介します。, 【こちらもおすすめ】 72-73。, 文化庁「国語政策に関わる審議会等名簿」『国語施策百年史』ぎょうせい、2006年1月20日、pp. 179-182。, 行政情報システム研究所編『行政文書が変わる 国のA判化実施方針及び実施計画の概要』第一法規出版、1993年(平成5年)8月、pp. 23-25。, 屋名池誠「縦書き・横書きの優劣」『横書き誕生 日本語表記の近代』岩波新書863、岩波書店、2003年(平成15年)11月20日、pp. 41-42。, 土屋道雄「法令文の改善-大正時代の国語国字問題」『国語問題論争史』玉川大学出版部、, 安田敏明「国民の国語運動連盟」『国語の近代史 帝国日本と国語学者たち』中公新書1875、中央公論社、2006年12月20日、pp. 50条 商号を登記するには,ローマ字その他の符号で法務大臣の指定するものを用いることができる。 2 前項の指定は,告示してしなければならない。 103-112。, 「国字改良ノ順序トシテ左横書ノ実行ニ就テ」、「日本片仮名及平仮名ノ縦列式ト横列式ノ場合ニ於ケル読ミ書キノ難易」、「国字ノ縦書キ横書キニ関スル小実験」、「仮名文字ノ縦書キト横書キニ就テ」、「縦書キト横書キノ場合ニ於ケル文字ノ連絡」、「横書縦書及活字ノ大サニ就テ」、「縦書横書ニ関スル小実験」、「石原式横書キ片仮名文字ニ就テ」など。いずれも『『日本眼科学会雑誌』第32巻第5号別刷 国字ニ関スル眼科学的研究講演録』日本眼科学会、1928年(昭和3年)に所収。, 小池民男「第4章 新聞と漢字 7 人名表記の扱い」『漢字と社会』朝倉漢字講座4、朝倉書店、2005年(平成17年)10月20日、pp.

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